2014,03,28

インターネット・オブ・シングス(IoT)時代到来/2回目

       「モノのインターネット(IoT)」 が製造現場に革命をもたらしている。 生産ラインにおける個別の製造時の制御機器の動作記録など、これまで捨てていた 「ビックデータ」 を、IoTで分析できるようになったからだ。        コンタクトレンズ製造の大手のシードは、2014年度に稼動させる新工場でビックデータ活用を本格的に始める。 生産ラインに設置した制御装置を社内LANに接続し、1枚ごとの製造条件や品質情報をサーバーの送信するシステムを構築する。 データをリアルタイムに分析し製造設備の稼働率と製品の歩留まりを向上させる。        コンタクトレンズは 「高度管理医療機器」 に指定され、出荷前の全品検査が義務ずけられている。 シードはこれまで人の目で検査してきたが、1日で使い捨てる 「1day」 製品が台頭、製造数量が急増し検査工程が重荷になりつつある。        2週間タイプの生産枚数が月間120万枚程度なのに対して、主に1dayを製造する鴻巣研究所では2013年に月間製造枚数が2000万枚に達した。 乱視や近視の度合いに応じて1500種類の1day製品を製造している。         増え続ける数量と品種に対応しつつ、安心・安全を確保するにはどうするか。 シードは新工場の生産スステムにIoTの仕組みを採用した。        鍵となるのが、製造設備を制御するオムロン製の装置だ。 設備の稼働状況を管理することで、レンズ1枚ごとの度数や試用期間、加工に利用した金型などの製造時の条件、不良の有無などを把握しサーバーに蓄積していく。         これまで、稼働状況などのデータの多くは捨てられていた。 レンズの厚みを調べる場合、従来の生産ラインでは1秒に3000枚程度が限界だった。 新システムではこれが毎秒4万8000枚に向上するという。 「生産ラインで発生するあらゆる情報を分析できるようになる」 とシード技術部の久保田慎マネージャーは期待をこめる。        更に、蓄積したブックデータを分析し、レンズ成型に用いる金型などを微調整すれば、不良品を減らせる。 「月間2000万枚製造している為、0.1%の歩留まり向上が、数百万円のコスト削減につながる」 と久保田氏はいう。 2016年3月期までに、原材料コストを2割削減する。          多くの人が日々の業務で使っている複合機もIoTの世界を構成する重要な機器だ。          キャノンは2014年に複合機が生み出すブックデータを分析する専任組織を立ち上げる。         基になるのが、複合機を遠隔監視する 「複合機保守管理サービス」 だ。 国内では 「NETEYE(ネットアイ)」 という名称で展開している。 全世界での接続台数は既に100万台を突破し、約2500項目の稼動情報をりアルルタイムで収集。 キャノン社内の情報と組み合わせて分析し、新たなサービスを展開する。         複合機1台ごとの印刷枚数や部品の磨耗状況、トナー残量や各種印刷設定などをインターネット経由で収集し、異常を早期に察知。 故障した場合はサービス担当者を迅速に派遣して修理、顧客が複合機を使えない時間を最小化する。        NETEYEと顧客の人事システムを連携させれば、部署ごと、従業員ごとの毎月の印刷枚数やカラー印刷比率などを把握できる。 こうした情報を顧客企業に提供してコストダウンに貢献する。         IoTを通じて蓄積する 「宝の山」 を活用することで、新サービスを開発し、シェアを高める考えだ。(日経産業新聞)         ツイートこの記事をつぶやく