消費者の心理分析を、販促や商品開発に生かす動きが広まっている。 アンケート調査やネットの閲覧履歴などのデータを分析して消費者の価値観や完成を推定。 解雇の購買履歴などに頼る従来手法に比べ、消費者の関心ごとをより的確に見通せる。 商品やサービスの内容を一方的に押し付けるのではなく、消費者共感を呼び起こす販促に生かす狙いだ。        「尊敬訴求やキャリア志向がある」 「インドア派手おとなしめ」 「お墨付き重視型」。 性格占いではない。 大日本印刷が今月から始める、消費者の心理分析を利用した販促支援サービスでの、分析の一例だ。 企業広告や電子商取引(EC)サイトの商品推薦、新商品開発工程の改善などに活用する。        大日本印刷は先ず、消費者の心理情報を収めたデータベースを独自に構築。 生活する上での価値観や、商品を購入する際の判断基準、消費者の性格といった要素を類型化した。 心理分析の専門家でないとわからなかった要素を、自動で推定できるようにした。         たとえば価値観は 「ハイクラス至高」 「充実感が希薄である」 「着飾るよりも人並みのおしゃれをしたい」 など、「消費に対する本質的な意識」で類型化。 商品購入の判断基準は 「自分で決定する」 「低価格志向」 「流行に追随」 など、商品を比較検討する際に重視するポイントで分類した。        データベースの作成は、独自に収集・蓄積したデータを活用した。 大日本印刷グループが運営するポイント会員サービス 「エルネ」 の会員1万5000人に毎年調査を実施。 その回答をもとに消費者価値観や商品購入の判断基準を30パターンを類型化した。        サイバーエージャント傘下のマイクロアドも昨年11月、消費者の価値観や閑静の分析結果を加味したインターネット広告の配信事業を始めた。         データベースを独自に構築したのは大日本印刷と同じ。 その作成に当たりマイクロアドは、ニュースサイトやECサイトから膨大な閲覧履歴データを収集した。         同社が保有する履歴データは国内ネット利用者の8割に当たる6500万人分、修理するデータ件数は1日当たり100億件超えといういずれも国内最大規模だ。 新サービスの開始に当たり、新聞の朝刊千数百万年分のデータを格納可能な、日本IBM製の大型コンピューターを日本で始めて導入した。        同じ商品の広告でも、心理分析を加味することで、消費者の価値観のタイプごとにより効果の高いと思われる広告を配信できる。 健康食品ならば、流行に敏感と推定された消費者には 「アンケートで人気第1位」 といった広告を、実利を重視するタイプには効果や効能を前面に押し出したものをそれぞれ配信する。         閲覧履歴のデータを使った消費者分析は既に一般的だが、現在は 「旅行」 「家電」 「グルメ」 など消費者の興味や関心のある分野しか推定できない。 結果として、旅行サイトを見た利用者には同一の旅行関連広告が表示されていた。        心理分析を加味することでよりきめ細かな販促が可能になる。 大日本印刷はある金融機関でカードローンの新規会員を募集するダイレクトメールの改善に堂手法を導入したところ、申し込み率が1.5倍に高まったという。        マイクロアドも化粧品メーカーと家電メーカーの協力を得て新サービスの効果を検証。 既存の消費者分析に基づく広告に比べて、利用者のクリック率を1~2割多かけられることが確かめられた。 同社は広告や販促に加えて、企業の新商品開発にも同手法を応用する考えだ。(日経流津新聞)        ツイートこの記事をつぶやく