2013,10,02

グリーがついに正社員削減に着手 / 大阪オフィスを廃止。社員には退職を勧奨

      グリー        ソーシャルゲーム大手のグリーが、ついに正社員の削減に着手する。        今年10月末に大阪オフィスを閉鎖。 約30人いる社員には、現在、順次退職勧奨が行われている。 一部東京本社へ配置転換する社員もいるが、大方の社員はグリーを去る予定だ。 グリーは今夏8つあった海外拠点を半減させているが、国内正社員の削減にメスを入れるのは、今回が初めてとなる。        グリーの大阪オフィスは2012年6月に開設。 作品のラインナップを広げるべく西日本の採用拠点として活動を続けていたが、収益化のメドが立たず、わずか1年半で閉鎖に踏み切った。 手掛けていた作品は4本。 そのうち2本はリリースにも至らなかった。 リリースしたうちの一つカーレース型の 「ワッキーモーターズ」 は、昨年の東京ゲームショウで一押ししていたゲームだった。        同拠点の責任者は、9月27日の株主総会で取締役を降格した吉田大成氏だ。 吉田氏は 「釣り☆スタ」 「探険ドリランド」 などヒットタイトルを創出した実績を買われ、昨年の株主総会で取締役に昇格したが、取締役として成果を上げることができなかった。 吉田氏の取締役降格は、大阪オフィス閉鎖による引責辞任の面もあると見られる。      

 直近四半期は最終赤字に転落

     グリーの業績は苦戦が続いている。 8月中旬に発表した2013年6月期決算は、売上高が前期比3%減の1522億円、営業利益が同41%減の486億円だった。 不採算タイトルの減損処理を行ったことで、第4四半期(2013年4~6月期)には上場来初の最終赤字(3億円)に転落。 海外開発拠点の閉鎖などリストラに着手しはじめていた。        振り返れば、グリーの業績のピークは、「コンプガチャ騒動」 が起こる直前の2012年6月期の第3四半期(12年1~3期)だった。 スマートフォンがブームになる前には、ガラケー上のゲームプラットフォームで大きな収益を上げることができた。        しかし、コンプガチャ騒動と相前後して、猛烈な勢いでスマートフォンが普及していく。 その流れの中で、グリーやモバゲー(ディー・エヌ・エー)のプラットフォームを通さない 「パズル&ドラゴンズ」 (ガンホー・オンライン・エンターテイメント)など、ネイティブアプリと呼ばれるゲームが増えてきたこともあり、劣勢を強いられるようになった。        グリーと同様のゲームプラットフォームビジネスを展開する競合のディー・エヌ・エーも、今期(2014年3月期)は2005年2月の上場来初の営業減益に沈む可能性がある。      

 ネイティブアプリに復活託す

     こうした中、グリーは業績のテコ入れを図るべく、9月27日の株主総会で大幅な経営体制の刷新を決議した。 取締役4名を新たに選任し、吉田氏が辞任。 新たに選任された取締役も、経営責任を明確化するために任期を従来の2年から1年に短縮した。        最大の狙いは、今後の有望市場とされるネイティブアプリの強化だ。        グリーは株主総会を経て、従来のグリープラットフォームを通したブラウザーゲーム、ネイティブアプリ、新規事業の3つに主要事業を分けた。 ネイティブアプリ事業全体を統括するのは米国拠点の責任者を務める青柳直樹氏で、その下に今回取締役に新任した荒木英士氏、前田悠太氏が個別にゲームを見るという手厚い布陣を作った。        荒木氏は2004年12月に創業したグリーの4番目の社員で、直前まで米国拠点のナンバー2だった。 前田氏はグリーが12年10月に買収したポケラボの社長を兼務する。 青柳氏は米国事業を引き続き統括するが、既に生活拠点は日本に移している。        ネイティブアプリ事業以外については、ブラウザーゲーム事業が取締役執行役員副社長の山岸広太郎氏が責任者を務め、新規事業は田中良和社長が直接手掛ける体制だ。        「10億人が利用するサービスを作る」。 グリーの業績が絶好調だった11年度半ば頃から、田中社長は盛んにこのメッセージを発していた。 しかし、現在はこのメッセージを強調することはほとんどない。 「インターネットを通じて、世界をより良くする」 というコーポレートメッセージも、決算資料の末尾に小さく書かれているが、田中社長自身の言葉から発せられる数は明らかに減っている。        10億人の目標は海外事業の挫折により撤回するとしても、コーポレートメッセージまで鳴りを潜めるのはなぜか。 それはゲーム事業以外の収益源を見いだすことができない、ジレンマに理由がありそうだ。      

 新規事業を生み出せるか

     新体制のもと、田中社長直轄で手掛ける新規事業は、新規といっても目新しいものではない。 主に広告事業、ベンチャーキャピタル事業、グッズなどのエンターテイメント事業を指すが、広告事業、エンターテイメント事業はゲーム事業の延長だ。 ベンチャーキャピタル事業は資金運用であり、収益面の貢献は心許ない。        新規事業の創出という点では、ディー・エヌ・エーも苦戦が続く。 12年10月に開始した無料通話・メールアプリ「comm(コム)」、13年3月に開始したスマホ向け音楽プレイヤー 「Groovy」 は直近のダウンロード数を公開していないほど、成果が出てない。        元はグリーがSNS、ディー・エヌ・エーはオークションサイトから始まっただけに、ゲーム事業へ過度に依存した状況は本来望ましい構図ではない。 新しいサービスを生み出すことが、両社には求められている。(toyokeizai.net)        他人事じゃない!!  新規事業を起こし活性化しないと未来は無い。         ツイートこの記事をつぶやく