2013,04,02

民放のプロ野球中継  解説者やレポーター多すぎて煩いとの評

       3月29日、プロ野球が開幕した。 ファンが楽しめる中継とはなにか。 フリーライターの神田憲行氏が考える。          今年も野球の季節が巡ってきた。 野球ファンにとっては朝から高校野球、夜はプロ野球と1日野球漬けになれる至福の季節である。        そこでちょっと、主に民放地上波の野球中継にお願いしたいことがある。 実況はもっとシンプルにしてもらえないだろうか。 プロ野球はデータの面白さもあるので、得点圏打率や左右投手の相性、ストレート・変化球の配球の割合などを紹介するのはいい。        解説者が多すぎるのではないか。 中継ブースに2人、1・3塁のベンチサイドリポーターと称してさらに2人いる。 アナウンサーを含めて5人がのべつくまなく喋りまくる。        私が野球中継で 「ベスト・ワン」 だと思うのは、元朝日放送・植草貞夫アナウンサーと、元北陽高校監督・松岡英孝さんの組み合わせだった。 植草さんは 「白い雲、青い空」 「甲子園は清原のためにあるのかぁぁ」 といった名台詞で有名なスポーツ・アナだが、言葉の面白さだけでなく、中継の 「試合運び」 も絶妙だった。 とくに松岡さんとのコンビは息もぴったりで、大変聞きやすかった。なぜ聞きやすいのか考えていて、思い当たることがあった。        たとえば9回表に1点差を追いかけているチームが四球で先頭打者を出すとする。 植草さんが 「○○高校、ノーアウトでランナー1塁!」 という。 こちらが 「送りバントかなあ」 と思った瞬間、松岡さんが 「ここはね、送りバントだと決めつけてはいけません。 ○○監督、エンドランもあります」。 なるほど、相手のバントシフトの裏をかいて、一気に逆転まで持っていく作戦もあるのか、と見ている側は思うわけである。        野球を見ながら中継と 「対話」 ができる。 そこで肝心なのが、植草アナが 「松岡さん、ここはどうですか」 といちいち話を振らない点だ。 話を振らなくても松岡さんが入るだけの信頼感が2人にあり、余計な言葉を挟まないからリズムも生まれる。        これが民放だと解説者が何人もいるから、中継アナがいちいち 「○○さん、どうですか」 と話を振らないといけない。 ベンチサイドの解説者からは、自己アピールだろうか、中継アナを 「○○さん、○○さん」 と呼ぶときもある。 これがとてもうるさい。 まるで画面が言葉で埋まってしまう。        野球に限らず、サッカーでもバレーボールでも格闘技でも、中継の過剰さを厭うファンの声をよく聞く。 「番組でなくスポーツを伝える」 という原点に戻った、シンプルな、それでいてプロを感じさせる中継をお願いしたい。(news-postseven.com)         ツイートこの記事をつぶやく