2011,12,02

「俳句は人生を昇華する」  俳人  黛まどか氏

       黛まどか氏を紹介するのは今回で4回目になります。           2001年、韓国を歩く。          サンディエゴの旅を機に歩くことにこだわるようになりいました。 韓国への旅は1999年に小渕恵三首相と金大中大統領との間で日韓文化交流会議ができ、委員に選べれたのがきっかけです。       私に何ができるかと考え、日韓関係の本を読みましたが、やはり俳句を作ることしかないので、歩いて韓国の美しい山河と人々を俳句でたたえる旅にしようと思いました。       2001年8月21日、女性編集者と一緒に、釜山からソウルに向け出発しました。 俳句を作るのが目的の一つだったので、4つの季節を歩きたいと思い、約500キロの道のりを4回に分けて歩きました。 当時、首相の靖国参拝で一時的に反日感情が高まっていたのですが、田舎だったせいもあるのか、全く関係ありませんでした。 釜山からソウルまで歩いている人なんていないですから、みんな親切にしてくださいました。      ご飯をご馳走になったことは数限りないです。 1度だけ泊るところが見つからないうちに日暮れになってしまったことがあります。 通りがかったおじさんに旅館はありませんか、と聞いたら 「このへんはないよ」。 結局奥さんと相談して泊めてくださいました。      偶然ですが、娘さんがお茶の水女子大に留学中だったので、その娘さんの部屋を使わせてもらいました。 お母さんは朝早く起きてご馳走を作ってくださいました。 さらにに食べ物や飲み物をたくさん持たせてくれました。 別れるときに泣き出して 「もう会えないよね」。      でも、その後、日本で再会することが出来ました。 娘さんは日本人と結婚したと聞きました。 それまで反対だったのが、結婚を許したのは私たちとの触れ合いがきっかけらしいのです。        <豊年の風にふくらむチマチョゴリ>              2005年に発足した日本再発見塾は、日本各地の文化、伝統、歴史に触れ、その魅力を改めて見出し、地域と日本を元気にする活動。 その呼びかけ人代表を務める。          地域おこしに俳句をという自治体があり、福島県飯館村や岩手県葛巻町に行きました。 葛巻は風力発電の街ですが、どうせ風を起こしなら、文化の風を起こそうと10年程前から俳句コンテストを始めたんです。          111202_130042        江戸時代から続いている葛巻俳句会のおばあちゃんたちの指導を得て町民も俳句を学び、俳句を見る目を通したら、何もないと思っていた自分たちの町が宝の山だと気がついたというんです。      それを聞いてピンときました。 よそ者に目を持ち込むと、土地の魅力が再発見できるんだ、と。 地方と地方、都会と地方、もう一つはジャンルとジャンルをつなぐことです。      坂東三津五郎さんはじめ、伝統文化の世界に友人がたくさんいますが、異口同音に 「今はいい、でも20年、30年後が心配」 と言うんです。 ジャンルの垣根を取り払うことで新しい可能性ができる。 もう7回を数えました。 来年は6月に飛騨高山で開催します。              2010年4月から1年間、文化交流史としてフランスに滞在。 欧州を回って俳句を指導した。          サンディエゴ巡礼がきっかけでフランス人の友人ができ、パリで何度か講演しました。 それが文化交流史につながりました。      ヨーロッパは俳句が盛んですが、きちんとした型が伝わっていない。 フランスを拠点に、ルーマニア、ハンバリー、ベルギー、トイツ、イギリスにも行きましたが、みな自由にやっているんです。      講演で有季定型の型の必要性を強調すると、質疑応答で 「日本の俳句は入ってきて何十年にもなる。 自由にやってもいいじゃないか」 という意見がよく出ます。 だったら俳句と呼ばないでほしい。      パリでは1年間定期的にクラスを持ちましたが、受講生たちはいけばなや茶道などもやっているので、すぐに型が分かるんです。 これからも型と言う日本文化の原点を時間をかけて説明していかなくてはいけないと思っています。  (日経夕刊)          と、4回目を紹介しました。  明日は、最終回をご紹介します。                     ツイートこの記事をつぶやく