2010,02,28

「売り方は類人猿が知っている」 ルディー和子著

不況の時に消費を控える現代人は、猛獣を恐れて身をすくめるサルと同じ心理状態にある。   「売り方は類人猿が知っている」は、人間の本能を分析し、マーケティングに生かそうと試みるユニークな1冊。   行動心理学や進化心理学などの実験を多く紹介しながら、売れない時代に売るためのヒントを提示している。  たとえば、行き過ぎた低価格化路線に警鐘を鳴らす。 安いワインの価格を「高い」と偽って飲ませた実験ででは、「安い」と伝えられたときよりも脳波は「おいしい」と感じたという。 人間の脳は価格でモノの優劣を決めるので、安い商品はそれだけ価値も低いと判断されてしまうのだ。  また、多くの人間は、1ヵ月後にもらえる2500円より、今すぐにもらえる2000円を選択するという実験が紹介されている。    我々の先祖が生存するため、目の前の食料を何よりも大事にしたという名残だという。 だから、地球の「未来」を守るエコ家電が売れるのは、環境保護の対する関心が高いのではなく、ポイントが付く、電気代が安いといった「現在」の利得が提供されていかるからだと指摘する。   変化の激しい時代だからこそ、古代から変わらなかった人間の行動様式に、ビジネスの「普遍の真理」を学べる1冊。 ツイートこの記事をつぶやく